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Solaris10でのネットワーク設定について説明します。ただし、以下の例ではIPV6は有効にしていません。
Solaris9の設定方法とほとんど同じです。ただ、inetsvcがSMF管理下になったので、ルーティングの章の(4)静的なルーティング情報を追加する方法のみ変更しています。また、ipnodesの設定についても注意してください。。
■IPアドレス、ネットマスク
Solarisはサーバーとして利用することが多いので、ここでは固定IPアドレスで設定する場合についてのみ説明し、DHCPを使用する場合は省略します。
関係する設定ファイルは下記のとおりです。
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/etc/hostname.xxxx xxxxのところにはネットワークインターフェイスの名前が入ります。 例えば、V100の場合は、dmfe0、dmfe1です。機種によって異なりますので、ハードウェアのマニュアルを参照してください。 このファイルには、ネットワークインターフェイスに付けられたホスト名を格納します。
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/etc/nodename マシンの代表ホスト名を格納します。 hostnameコマンドで返されるのはこの名前です。
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/etc/inet/ipnodes ホスト名とIPアドレスの対応を格納します (IPV6アドレスも登録できます)。IPV4アドレスは、ipnodesファイルと下記のhostsファイルの両方に登録可能ですが、ipnodesの登録が優先されます。ipnodesファイルに登録されていない場合に、hostsファイルを参照に行きます。Solaris10のインストールでは、両ファイルにホストとIPアドレスの対応が登録されるようですので、修正する場合は両ファイルを修正するようにしてください。
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/etc/inet/hosts ホスト名とIPアドレスの対応を格納します。 /etc/hostname.xxxx、/etc/nodename内定義のホスト名は必須です。
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/etc/inet/netmasks ネットワークアドレスとそのネットマスク値を格納します。
実際のV100の場合の設定例を以下に記載します。
/etc/hostname.dmfe0
/etc/hostname.dmfe1
/etc/nodename
/etc/inet/ipnodes
/etc/inet/hosts
/etc/inet/netmasks
■ルーティング
(1)関係する設定ファイルは下記のとおりです。
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/etc/defaultrouter デフォルトルータのIPアドレスあるいはホスト名を格納します。このファイルが存在する場合は、静的なルーティングだとみなされます。
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/etc/gateways このファイルが存在する場合は、強制的にルータとして構成されます。
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/etc/notrouter このファイルが存在する場合は、強制的にルータではないとして構成されます。
(2)静的なルーティングを行う場合の設定例
/etc/defaultrouter
/etc/gateways /etc/notrouter
(3)動的なルーティングを行う場合の設定例
/etc/defaultrouter
/etc/gateways /etc/notrouter
(4)静的なルーティング情報を追加する方法
solaris10からシステムを再起動しても設定が保持されるように、永続的にルーティング情報を追加できるようになりました。下記のように、-pオプションを付けると、永続的であることを指示します。
/usr/sbin/route -p add net 192.168.150 192.168.100.2
静的なルーティング情報を追加するinitスクリプトを作成します。
/etc/init.d/addroute
case "$1" in
'start')
(
/usr/bin/echo "Adding IPv4 static route for XXXX:" \
"add net 192.168.150: gateway router2"
/usr/sbin/route add net 192.168.150 192.168.100.2 >/dev/null
) &
exit 0
;;
'stop')
(
/usr/bin/echo "Removing IPv4 static route for XXXX:" \
"remove net 192.168.150: gateway router2"
/usr/sbin/route delete net 192.168.150 192.168.100.2 >/dev/null
) &
exit 0
;;
*)
/usr/bin/echo "Usage: $0 { start | stop }"
exit 1
;;
esac
システム起動時にランレベル2で実行するように設定します。
■ネームサービス
/etc/nsswitch.confに、使用するネームサービスを記述します。ネームサービスとしては、files,dns,nis,nisplus,ldapが利用できます。各ネームサービスに対応したnsswitch.confの構成ファイル例が、/etc/nsswitch.xxxx (xxxx=files,dns,nis,nisplus,ldap)にあります。
利用したいネームサービスに対応した構成ファイル例を/etc/nsswitch.confにコピーして利用すれば良いでしょう。例えば、ホスト名の解決を、/etc/inet/hosts,dnsの順に検索したい場合は、/etc/nsswitch.dnsを/etc/nsswitch.confにコピーして利用します。
また、dnsを使用する場合は、/etc/resolv.confの設定も必要です。
/etc/resolv.conf
nameserver 0.0.0.0 <-- ネームサーバーが自マシンの場合。
nameserver 111.22.3.5 <-- ネームサーバーが他マシンの場合、そのIPアドレス。
■ルーティングの確認
最後に、システムを再起動し、ルーティングの確認をします。
Destination Gateway Flags Ref Use Interface
-------------------- -------------------- ----- ----- ------ ---------
192.168.100.0 terra-dmfe0 U 1 391 dmfe0
192.168.150.0 router2 UG 1 12
192.168.200.0 terra-dmfe1 U 1 8 dmfe1
BASE-ADDRESS.MCAST.NET terra-dmfe0 U 1 0 dmfe0
default router1 UG 1 16679
localhost localhost UH 7 26188 lo0
以上が、もたつき無く表示されれば、OKです。もし、表示が遅い場合は、何か設定に問題がある可能性があります。
snoopコマンド等で、ネットワーク上のパケット送受信の状況を確認してみて下さい。